園だより(2019年度)

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3月園だより 2020/3/3

新型コロナウイルスへの対応
3学期も後残すところわずかとなったところへ、この新型コロナウイルスです。

初めの頃の報道では、若い人や子どもは重篤にならないが、高齢者や持病のある方は気をつける様に、といったものでしたが、ここにきて小学生や20代の感染の重篤化のニュースが伝わってきています。
今後2週間が感染が今後拡散するか、流行が多少落ち着くかどうかの期間になるとのことで不要不急の外出は極力せず、人が集まる行事は自粛する様に通達がありました。

なかよしでもお別れ会やPTAサークル活動、さくらの木、ひよこサークル、講演会などは一律中止としました。どろんこ、一時預かりもストップをかけました。

しかし昨日、こんどは全国の小中学校高校を臨時休校にする様に総理大臣からの要請が入りました。
正直言って遅いです。国はもっと早い時点で決定し動いてほしかったです。
しかも、幼稚園や保育園は休校の対象から外すのはなぜ?子どもの健康より預け先を確保・・・保育士の子どもは誰が見るのか?保育者の健康は誰が守るのか?経済を優先ですか?


そんな怒りを抱きつつ・・・現場と今後、どうしていくか防御策を話し合いました。
なかよしこども園では、幼稚園(1号認定)は学校と同じく、2日から休園とします。
保育園(2・3号認定)市型預かりの方もお休みできる方はご協力をお願いします。
卒園式は中止にせずやりたいと思っています。参加人数は最小限で短時間で行う様にとの通達が入っています。なので出席は保護者のみとし、年中組の参加、小学生以上の兄弟、祖父母の方の参加はなしとします。

今後、国の方からの要請などでいろいろ変更になることも多々ありそうです。マチコミやメールなどでお知らせしますので、まめにチェックして下さい。

登園する方は、部屋に入る前に親子で手洗いうがいを引き続きお願いします。これは乳児棟でやってみて効果があった方法なので、ぜひ習慣にして下さい。
子どもから”水が冷たい・・・”の声もありましたので急きょ年長中のデッキ側に給湯器をつけてお湯が出る様にします。
トイレの手洗い場、図書コーナー前のデッキにある手洗い場にもお湯が出るよう順次工事していきたいと思っています。


いずれ特効薬が開発されて今のインフルエンザと同じ様になる時が来る・・・とは思いますが・・・現時点では治療薬もなく、その特性もわかっていません。
今もし子ども、保護者、職員その家族の誰か一人でも感染者がでた場合、園は保育園含めて全休園にせざるをえません。そのことを保護者の皆さんには意識していただいてご協力をお願いします。
ウイルス拡散を防ぎ、子どもたちの安全を守るために今、なかよしでできることを職員、保護者一緒になってやりましょう。


どの学年もクラスや学年が一体になってとても楽しそうです。3月は例年子どもたちが遊びこむ月だったのに・・・特に年長は残念です。
ごんべぇとして子どもたちに卒園のエールを送りたかったけど・・・文集に載せます。
休園を聞きつけてお休みだったパートの先生が子どもたちに会いにきてくれました。暖かいですね、皆さん・・・
自分がちゃんと世界に包まれているという感覚は子どもたちが成長していくための力になります。なかよしにはそれがあります。
保護者の皆さんのご協力でそんな保育ができました。園長として感謝します。ありがとうございました。



2020 3   園長 菅野 清孝

2月園だより 2020/2/4

園内研修会~発達障がい~
昨年12月になかよしの2階で『発達障がいの人と関わる中で見えてきた乳幼児期に大切にしたいこと』と題して講演会がありました。
もともと職員研修のつもりでしたが、せっかくだから保護者の方たちにも広げよう・・・と開いたら予想以上に参加者が多く、関心の高さを感じました。
 
私ADHDです。
「じつは私、ADHD(注意欠陥/多動性障害)です。
70才のおじいさんになったのでずいぶんちゃんと座っていられるようになりましたが、昔はじっと座ってられなくてね・・・・私の師匠の佐々木雅美先生(児童精神科医)に”関水くんはADHDでうまく育った例だね”って言われてました。」そんなカミングアウト的自己紹介にはちよっとびっくり・・・・
講師の関水実先生は横浜市発達障害支援センター長を長年歴任され、多くの保護者からの相談を受けてきた先生です。現在はなかよしの理事として関わって頂いていますが、講演として先生のお話を聞くのは私も初めてでした。 
 
 
自閉症=母源病
私がなかよしに来た頃、今から30数年前から自閉症という言葉はありました。しかし、この自らを閉じると言う文字が災いしてか、この病はこの子を育てた養育者、母親の子育てが原因であると言う説がまことしやかに広がって『母源病』などと呼ばれた時代でした。その頃のお母さんたちきっとつらかったでしょうね。
 
最近では脳科学の研究が進んで、先天性の脳の変異であり、子育てが原因とは言われなくなりました。「言葉の遅れ」「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」などが特徴ですが、知的に遅れがない人、重複しているアスペルガー、ADHDもいて、どう違うのか、どう対応したらいいのか一般的にはまだまだ???が多いのが現状です。
 
先生のお話しの中でも「障がいの特質が濃い子は援助しやすいが、薄い子の援助は難しいね。
知的な遅れがないと、ちよっと頑張れば普通になりそうに見えるんだよ。だけど、これは治らないんだよ。
そんな子にスーパーマザーみたいな母親がいて頑張らせると先へ行って2次障害がでるよ。」
保護者の姿勢としてはその子の障がいの特性を理解した上で 
〇得意なことをほめて苦手意識は持たせない 〇他の子と比べない 
〇一緒にやって上手くいったという経験を持つ 〇苦手意識克服のトレーニングは逆効果の場合も多い
〇できてあたり前にしない 〇できるだけ一貫して相談できる人を見つける・・・
なかよしの環境はこどもにとってはもちろん、保護者にとってもいい空気感だとも言っていただきました。
 
 
自己肯定感を育てる
関水先生のお話の中で、先生のお母さんが学校の懇談会からプンプン怒りながら帰ってきてどうしたのか聞くと~担任の先生ができていない事ばかり言ってちっとも実の良いところを話してくれない、こんなに優しくていい子なのに~と言っていたという話をされました。
 
先生自身ADHDだと発言されているので、多分、学校の中でもいろいろあっただろうと推測します。でもこんなお母さんに育てられたからこそ自己肯定感を持ち、大人になって同じ様な悩みや不安を持つ人、弱い立場の人の相談を受けてこられたんだなと思いました。
 
この紙面に書ききれない内容満載でしたが、時間がなくてもっと話をお聞きしたかった保護者の方も多いと思います。職員からのリクエストもあるので再度、来ていただくつもりです。
 
年長の劇活動の様子
先日、カリキュラム会議の中で生活展へ向けての年長組の様子を聞きました。なんの劇をするか・・・という話し合いの様子・・・
 
グループの子ほとんどがこれがいいといっているのにどうしてもネコをやりたいSが「《友だちほしいなオオカミくん》にネコはいないからイヤ。」と反対『Sはネコが大好きだからな』『じゃあネコ役作ればいいんじゃない』と説得してオオカミくんに無事決まりました。
 
別のグループ・・・大好きなお話だから原作の本のままやりたいやりたいと主張するR、『でも絵本の通りやるとぐりとぐらしかいないよ。9人じゃできないじゃん』とほかの子どもたち。じゃあフライパン役、泡だて器役を作ってやることをRは主張し実行・・・セリフがでない(実際ないから)・・・「やっぱりこれムズカシイ」となり、「ウサギグループバージョン(熊やウサギがお店屋さんを開いているという設定)でやろう」ということでRもシブシブ納得しました。
 
またまた別グループ・・・先が見えないと不安なQ、初日の劇の練習には不参加で、友だちが演じるのを見ていました。先生から『明日は自分のやりたい役考えてきてね』と言われ帰宅・・・
次の日の劇の練習、思い切って手を挙げたのですが、人気のキツネにNも手を上げじゃんけんで決めることに・・・残念まけちゃいました。
しょんぼりしてまた見学・・・そんなQを見て「二人でやればいいよ」とまわりが提案して二人のキツネが舞台に上がりました。
 
年長の子どもたちの言動に成長が見える
みんな大きくなったね・・・友だちの言ってることに耳を傾けて、その子が何をしたいか考えて、否定していない、友だちの気持ちを汲んで提案を出して決めています。
すごいね~大人でもなかなかできない話し合いです。
 
じゃんけんに負けて役をできない友だちの様子を見て、いっしょにやればいいと思った子どもたちは素敵です。
 
年長組のこどもたちは入園した時から、思ったこと、感じたことを怒りや涙、ときに笑いで・・・いろんな場面で出しながら暮らしてきました。
みんな疑似兄弟・・・お互いを理解しているからこそ育った年長組でのやりとりです。
 
2月の生活展年長の劇は、当日を迎える前に、そんなやり取りがあったことを頭のスミにおいて見ていただけると、子どもたちの成長が感じられるかもしれません。
 2020 2月        園長 菅野 清孝

1月園だより 2020/1/8

2020年がスタートしました。
昨年の12月末に下記のような手紙を小学1年生~6年生までの卒園児に出しました。

なかよしOB、OGの保護者の皆様へ
皆さんお元気でしょうか?
突然のお手紙でちよっとびっくりされた方もいるかもしれません。
実は、こんどなかよしで『さくらの木』なるものを開くことにしました。

『さくらの木』って・・・なに?

なかよしにいると、時々卒園した子どもたちがやってきます。
小学校の1~4年生くらいだと、動物たちにエサをやったり、園児と一緒に遊んだり・・・5,6年生~中学生くらいだと先生たちと雑談して・・・カチカチになった身体や気持ちをなかよしの空気に触れほぐして帰る・・・そんな感じです。
いつでもおいで~がなかよしの基本、学校が休みの日や放課後、フラッと来てフラッと帰るそこでリフレッシュできる子どもたちのメンタルはOKです。

学校へ行けない
そんな中、最近学校へ行けない、行くのが苦しい子どもたちの話も聞きます。
今の学校は・・・保育園の保護者で学校の先生方のお話を聞いても時間も人員にも余裕がないのが現状のようです。
分刻みでの学校生活に加えて、友だちとの関係、放課後にはスポーツや習い事など子どもたちは忙しい・・・ボーッとするような時間はあまりないようですね。
時々、気持ちも身体もパンパンになって学校へ行きたくなくなる気持ちは理解できます。

子どもたちの居場所
子どもたちがちよっとつらい時、なかよしの空気を吸わせたいな・・・もし、学校へ行けないとき、家にいるのではなく学校の代わりにいられる場所がなかよしに作れないかな・・・とみんなで考えた結果、なかよし『さくらの木』を開くことにしました。
(避難訓練の時、集合場所は”さくらの木”の下でした。)

なかよしさくらの木とは・・・
普段子どもたちが学校に行っている時間帯9時~15時までの開設です。
まず、本人の気持ちを聞いて、お母さんが電話(070 3667-8163)で相談してから申し込んで下さい。

送迎はありません。子どもが自力で来るか、保護者の送り迎えをお願いします。
プレィパークの発想『ケガと弁当は自分持ち』です。見守りはしていますが、勉強しても、ゲームしても、ゴロゴロしてもOK、基本自由です。
気がむいたら・・・園児と一緒に先輩として子どもたちと一緒に遊んでもらいましょう。
中学生なら保育ボランティアとして掃除や片づけのお手伝いをお願いするかもしれません。
さくらの木はそんなゆる~い子どもたちの居場所として考えています。

まずは1月からプレ開設します。

1月の開設日(1/20(月)・1/27(月)) 開設時間9時~15時
2月の開設日(2/10(月)・2/17(月))  開設時間9時~15時
3月の開設日(3/2 (月)・3/9(月)・3/16 (月)・3/23(月))  
開設時間9時~15時
拠点は『なかよしのおうち』(パンダのタイルが目印)です。(なかよしの一軒隣の一軒家です。現在、PTAサークル、教育相談などの場所として活用されています。)
窓口は川島と菅野です。
利用料 しばらく無料
(活動の中でかかった経費は実費をお願いすることもあります)
※ 令和2年度(4月~)の開設については、どんな利用の仕方があるのかプレ開設の動向を見てから決めていきたいと思っています。
学校へ行けないときは、『なかよしの木』・・・こんな選択肢もあることを頭の片隅に置いておいてください。
開設にあたっては現在、有志の方たち(卒園児母)のご協力も受けています。
今後、ご尽力いただける方がいらしたらよろしくお願いします。
2019 12


・・・という中身です。
あれ?またなかよし何を始める?と思っている方もいるかもしれません。

この手紙にある様に、学校がつらい・・・居場所がない・・・そんな子どもたちがいるんですよ。 

どうにかならないものか?
長いことこの仕事に関わってきた教育・保育の世界ですが・・・なんだか良い方向に行ってない・・・むしろ悪くなっている感じがします。どうにかならないかな・・・
いろいろ考えても決定打は思い浮かびません。

リーダー職員が集まって検討会・・・学童保育、放課後ディサービス・・・やりたいけど敷居が高いか・・・『フリースクールはどう?』の発言から『いいね!』『でも場所は? 人は?』
『かかる費用は?』・・・・
新しいことを始めようとすると、考えなきゃならないことはたくさんありますね・・・でも、全部が整備されるのを待ってられません・・・
じゃあ、今あるものを利用して今やれることからはじめよう~となりました。

正直、どんなふうに利用されるのか、需要があるのかもわかりません。
多分はじめても誰も来ないかもしれません。

存在することに意味がある
以前、在園していたお母さんが子育てでつらい時、子育て相談室の名刺をずっと持ち歩いていたという話を聞きました。
もうこれ以上は無理!と思ったらこの相談室を訪ねよう、助けてもらおうと思っていたそうです。結局、そこには行かなかったけれどその名刺が心の支えになった時期があったと言っていました。

なかよしのさくらの木もそんな存在になればいいかな~
子どもたちがつらい時~さくらの木に行けば、居場所があって、見守ってくれる大人がいる~だからまず、はじめること、窓口があることが大切だと思っています。


2020 1            園長  菅野 清孝

12月園だより 2019/12/2

収穫に感謝!
先日のなかよし祭りでは、晴天に恵まれ、おみこし、たいこ、おどりのグループそれぞれがにぎやかに元気いっぱいの姿をみせてくれました。子どもたちの笑顔が園での生活、ひとりひとりの成長を感じさせてくれました。そして、保護者の皆さんの笑顔、有志のお母さんたちの太鼓、ソーラン節・・・収穫がいっぱいのなかよし祭りでした。

今年も12月となりました。
首都圏内に住む人の半分以上は地方出身者だと言われています。年末年始に帰省される方も多いと思います。
私も故郷は北海道、妻は秋田なので毎年8月のお盆と1月の正月は帰省するのが年中行事でした。
でも、ここ数年の間にお互いの親も他界して、帰省することはなくなりました。
『帰省かぁ~』年末年始の大移動、新幹線や空港、高速道路の渋滞・・・そんな話がなつかしく聞こえるこの頃・・・同郷のシンガー、中島みゆきの歌が流れました。
『帰省』 作詞 作曲 中島みゆき
♪ 遠い国の客には笑われるけれど
押しあわなけりゃ街は電車にも乗れない
まるで人の全てが敵という様に
肩をはり肘をはり押しのけあっていく

けれど年に2回 8月と1月
人ははにかんで道をゆずる 故郷からの帰り
束の間人を信じたら
もう半年がんばれる ♪

歌を聴いていて、『何であんなにみんな余裕ないんだろうね~
オレも電車の中だとあんな顔してんのかな?』『人が多すぎるからなんじゃないの』
40年も前、上京したばかりの頃、電車に乗るのが怖かった話で奥さんと盛り上がってしまいました。

ほんの100年ほど前までは、人が生涯で出会う人の数は100人足らずだったといいます。生涯の中で100人・・・人見知りやシャイな人にとってはきっとじっくりと関わることができた時代だったでしょうね。それに比べると今の時代は、ちよっとした関りをもつ人は一説によるとざっと30.000人と言われています。

結合定量の法則
社会学者の高田保馬という人が提唱した『結合定量の法則』というのがあります。
ひとりの持っている人間関係の入れ物は大きさが決まっていてそれ以上は入らない・・という考え方です。
例えば中学を卒業して高校で新しい友達ができると中学の友達とは自然と疎遠になって本当に仲の良い人だけに絞られていきます。就職して会社の人間関係が増えていく分、学生時代の友達分が差し引かれていく・・・この高田さんは、人ひとりが持てる人間関係の量は決まっている(数だけでなく質も)とも言っています。

立ちどまってみる
今年は連続した台風によっての被害が全国的に起きました。いまだ日常の生活が戻っていない方も多く、特に農家の方々は収穫まじかの作物が被害にあって先の見通しも立たない・・・などの話を聞くたびに心が痛みます。
そんな時・・・自分にとって本当に大切な人は・・・大事な関係は・・・立ち止まって考えます。
今、大切にしなければならないはずの人との関係をおろそかにしていないか,自分に問います。
故郷へ帰省した後、ちよっと優しい気持ちになれるのは、自分にとって大切な人、必要な人がはっきりするからなのかな・・・

中島みゆきの歌を聴きながら・・・そんなことを思う年の瀬です。

みなさん、よいお年をお迎えください。

2019 12    園長 菅野清孝

11月園だより 2019/11/1

やさしさの時代
歩いているといたるところに”やさしい”の文字・・・肌にやさしい、地球にやさしい、胃にやさしい、車にやさしい等々・・・○○にやさしい~がいっぱいです。
現代社会では、「やさしさ」や「やさしいこと」は、ほとんど無条件に「善いこと」とされています。

でも自分の生活を振り返ると、必ずしもそう言えない・・・やさしい社会と言われながら電車や人ごみの中にいる人々はみんなピリピリしている様な空気を感じませんか?

そんな疑問をもっと前の時代から感じていた人もいたようで1995年に『やさしさの精神病理』という精神外来の先生が書いた本の中でも若者たち(当時の)のやさしさという基準が変わってきたことに対しての戸惑いや不思議さが述べられていました。
それから12年後の2007年に出た『ほんとうはこわいやさしさ社会』の中では・・・

現代のやさしさとは、「人を傷つけないように気を遣う態度や振る舞い」という意味になるとあります。
やや古いタイプのやさしさでは、将来、その人が困らない様に(やさしさを前提に)今は厳しく接する・・・というに対して、「今傷つけないように全力を尽くす」のが現代のやさしさです。

古いやさしさは傷ついても傷は治るものだという前提に立っている(治療的やさしさ)のに対して、新しいやさしさは傷ついたら傷は修復できないという前提だから、傷つけないように全力を尽くすと(予防的やさしさ)いいます。

ごめんなさいは許されない
でも、予防なんてできますか・・・人は間違える生き物です。
人が何で傷つくのかなんて予想するのは難しいです。関りが深くなれば、距離が近くなれば、ときには間違って言っちゃうこともありますよね。

このルールに沿おうとすれば、人との関係は、職場でも学校でもとても神経を使います。
自分がそんな基準のやさしさを持ち、気づかっているのに、誰かが自分に対して傷つくことを言ったとしたら『こんなに私は気を使っているのに、お前はなんだ!』というキレル人たちが多くなるのもうなずけます。

やさしいが求められる現代はけっしてやさしくはない・・・しんどさやこわさを内在している社会なのでは・・・と、この本から読み取れますが・・・この本2007年の発行ですからね・・・

その頃の若者たちも今や大人・・・『ごめんなさいを言うくらいなら言わなきゃいいのに』は今や常識?この予防的なやさしさは世間の対人関係の暗黙のルールになっている気がします。

子どもたちの世界にこのルールを採用したら、・・・こすれあってぶつかり合って育っていくという子どもの成長過程は成り立ちません。


なかよしの空気
先月の運動会・・・台風一過で晴れのはずがまさかの雨・・・地域の学校や保育園は早々に延期したと聞きましたが、なかよしは「そんなに子どもたちの気持ちを先延ばしできない!」という先生たちの気持ちで強行しました。
雨が降っている間は中広場に移動して踊りや競技、晴れ間をぬって園庭でリレーかけっこ・・・こんな形式での運動会、私も初めてやりました。
そのつど保護者の皆さんには移動のご協力をお願いしました。

子どもたちにしたら、普段とはまったく違う雰囲気の中、緊張して当然の場面でした・・・今年の子どもたち、音楽に合わせて踊ったりするのが大好き・・・ではありましたが、本当に嬉しそうに張りきって踊り走り、笑顔でした。

それは、わが子だけでなく子どもたちみんなのパフォーマンスを楽しみ、子どもたちの成長を喜び応援してくれた保護者の皆さんの空気のおかげです。
会場全体で声援を送ってくれた年長リレー・・・子どもたちを後押ししてくれました。
当日のあの姿はリレーをしたから育ったわけじゃありません。本音を出し合いぶつかりあい、間違ったとき『ごめんね』を言い合いながら過ごした日常の生活、関りの中で育ったのだと思います。
皆さんはどう感じましたか?

11/1は令和2年度の園児募集です。一人でも多くの子どもたちが、なかよしの空気の中でこの乳幼児期を過ごしてほしいと願っています。

2019 11   園長   菅野清孝



9月の園だよりにも書きましたが、卒園した子どもたちが時々やってきます。学校でパンパンになった身体や気持ちをなかよしの空気に触れほぐして帰る・・・そんな感じです。
いつでもおいで~とは言っても基本、幼稚園と保育園なので、遠慮もあります・・・・
そこでリーダーの先生たちと相談して卒園した子どもたちを対象にした場所づくりをしようということになりました。
名称は『なかよしフリースクール(仮称)』
拠点はなかよしのおうちです。
フッとなかよしを思い出してくれたら・・・訪ねてくる子どもたちがきっといます。誰かと話をしたい、話しを聞いてほしい子がいます。
小学生なら先輩として子どもたちと一緒に遊んでもらいましょう。
中学生なら保育ボランティアとして掃除や片づけのお手伝いでも頼みましょうか。

具体的には11月中に小学生1年~3年生宛にお手紙を出す、ブログ、ホームページに載せるなどフリースクールの存在を周知してもらう為の活動からスタートします。

今あるなかよしの空気を未来につなげる種をまきます。






10月園だより 2019/10/2

私ごとですが・・・嫁いだ二人の娘が5月と7月に相次いで出産しました。二人とも徒歩圏内に住んでいるにも関わらず里帰り出産を宣言して、ウチに来ていました。
無事出産できてヤレヤレでしたが、その後も幼稚園に行っている3才の孫と4か月と2か月ほとんど双子の乳児がほぼ毎日います。
そして、この乳児が同時にグズリ泣きを始めたり、オムツだ、入浴だとなったときの騒ぎは大人の人数が揃っていてもなかなかすごいものがあります。
「なんだか小規模保育園みたいだなぁ」
「ほとんど双子だね」と妻と苦笑いしています。

懲役3年6か月
先日のニュースで、生後11か月の三つ子を育てていた母親(31)が泣き止まないことに腹を立てて次男を床に叩きつけて死なせるという事件で傷害致死に問われた裁判のことが伝えられていました。
弁護側は「この母親が一人で三つ子を育てる過酷な環境で、重度のうつ病を発病していた」と主張し、執行猶予付きの判決を求めましたが、受け入れられず懲役3年6か月の実刑判決が言い渡されたそうです。

この母親は悪い人なのか?
乳児って3時間ごとにミルクを飲みます。ミルクを飲ませるとゲップを出させます。なかなか上手にゲップが出ない子もいます。この作業にやく40~50分はかかるかな・・・一日8回、この時期の子育ては眠さとの闘いです。
うちの娘たちはあまりに眠いとゲップは私やバァバにパスしてベットに倒れます。


それをこの母は一人で3人分です。いつ眠れるのか?・・・実際、睡眠時間は一日1時間から2時間だったそうです。それも何か月もの間・・・頑張ってたんですよね。
この他にオムツ替え、着替えなどやることはいっぱいです。
他の家族がいれば食事の支度もあるだろうし・・・自分自身の食事はちゃんととれていたのか? わが子の命を絶ってしまったことは罪ですが、泣き叫ぶ子を落としたくなる感情は、理解できます。

母親も三つ子を育児することに対して不安を訴えていて、訪問した看護師に赤ちゃんの口を塞いだ時があると発言していたそうです。その時点で、事件を起こしてしまう前に、なんとかならなかったのか・・・そんな状況を放置した行政に批判が集まっていますが、行政よりもっと身近な人たちがどうにかして母親と子どもを救えなかったのか・・・残念です。

母ならいつでも愛情ホルモンが出る?
ウチの長女が出産後2か月ほど経過した頃、「なんか最近ようやく可愛いと思えるようになった」とポツンと言ったことがありました。
「えっそうだったの?」里帰りして食事の支度もバァバ任せ、母乳も順調で、何の不安もないだろうと思っていたので・・・驚いたことがあります。
オキシトシンは愛情ホルモン・・・このホルモンの脳内での出方は個人差、バラつきがあるようです。そして、このホルモン、母の思うようにならない対象に対して攻撃的になることも知られています。

多子育児
なかよしは少子化と叫ばれている世間とは違って3人以上のお子さんを持つ保護者がたくさんいます。みなさん、子育て上手で子どもとの関わりを楽しんでいる様に見えましたが・・・以前、3人目を出産したあるお母さんが、「生まれる前にイメージしていた子育てとはぜんぜん違ってました。上の子が赤ちゃん返りして手がかかります。生まれた子にオッパイやっていると自分もオッパイ飲もうとして泣き叫んだり・・・なんの地獄かと思いました。」と言っていたのを思い出します。
でも、その苦しい時、子育て仲間に励まされ、助けられたとも言っていました。

育児がつらいとき、
こどもが可愛いと思えないときすべきこと

・優先順位を考える~100%を目指さない~
片づけや料理などの家事を今まである程度ちゃんとやれていた母だから、子どもが生まれても頑張ってしまう傾向があります。部屋が多少散らかっていても料理がスーパーの惣菜でも子どもになんら影響はありません。ちゃんと片づけて・・とか、ちゃんと栄養を考えて・・はひとまず棚に置いて「まぁいいか」の精神でいきましょう。

・自分の気持ちを話す
それでもイライラがとまらない、こどもを可愛く思えない・・・
オキシトシンが出ていない、またはオキシトシンが思い通りにならない子どもを攻撃の対象にしてしまっている警報だと思って、そんな気持ちを理解し励ましてくれそうな人に話しましょう。
「みんなそうよ。大丈夫よ~」と笑い飛ばすような人は避けましょう。

・パスをまわす
近くに実家があり、親きょうだいがいたら、一時こどもを預けましょう。
そんな人がいない場合は、なかよしの一時保育を使いましょう。
保育料はかかりますが、母の睡眠不足解消、気分転換、など・・・子どもを守ることにつながる必要経費です。
ラグビー同様、パスは前進するためのパスです。罪悪感はいりません。

・スクラムを組む
0才~4才くらいの中に三つ子でなくても双子、きょうだいがいる家庭の育児の絶対的にたいへんだと思います。でも、この時期を乗り越えれば、子どもたちはどんどん育っていきます。

4月に入園した0才~2才の子どもたちの成長、変化はびっくりですよ!
みんな内側に育つ力を持っています。
だから、母も一人で走らず、時には誰かにパスしてもOK!
ここなかよしでは保護者と保育者がスクラム組んで共同養育でいきましょう!


2019 10          園長 菅野 清孝

9月園だより 2019/9/2

夕涼み会
天気予報では夕方雨マークも出ていましたがなんとか無事にやれました。
役員の方々を中心に保護者の皆さんのご協力、ありがとうございました。
涼しい風も吹いて、にぎやかな楽しい行事となりました。ゲスト用に準備していたおにぎりも予定数以上になくなって、急きょ職員の分をまわす事態になるほどOBはじめ、たくさんの方が来てくれて嬉しかったです。

お久しぶりです~
なかよしの夕涼み会のことをどこで聞いたのか、今年は卒園した子どもたちがずいぶん顔を見せにきてくれました。
卒園以来の子もいて「よく来たね」「大きくなったなぁ~」を連発しました。

そんな中、卒園以来初めて顔を見せた中二になった女の子、私ごんべぇと千葉先生の前に来て『いじめってどう思う?』と唐突に聞いてきます。
「そりゃいやだよ、腹立つよな」と答えると・・・
「めっちゃ、むかつくんだけど」と・・・笑いながら目は真剣?
なんかあったかな・・・??
夏休みあけ、2学期が始まるころ不登校や自殺がふえると言う話を思い出しドキッとしました。

しかし、夕涼み会の真っただ中で、「話きくからまた来いよ、なんか美味いもん食べさせるから~」そんな言葉しか返してやれず・・・でした。

そう言えばもう一人・・・これも卒園して初めて顔を見せた6年生の子も、以前から時々電話をかけてきます。
寂しいとか困っているとか具体的な話はしません。ただ、担任だった千葉ちゃんと、そこが不在のときはごんべぇを相手に何分か雑談して電話は終わります。

でも、夕涼み会に顔を見せにきてくれて、携帯のラインで呼んだというクラスメイトと笑顔で話している様子を見ていてちよっとホッとしました。

いろいろあるんだよな子どもたちも・・・
話したそうな子どもたち・・・聞いてやりたかったごんべぇでした。

つらいと思うとき
人は、こうでありたい自分(希望)と今の自分(現実)の間に開きがある時、つらいと感じます。
例えば・・・朝学校へいく時間に起きれない・・・ちゃんと自分で起きて学校へ行きたいと思っている・・・でも出来ないから・・・つらいんです。
友だちとなかよくしたい自分がいて・・・でも上手くいかない、いじめられたりすることもある・・・希望と現実のギャップがつらいです。

人の心を建物に例えると、この建物(こころ)は次の3つの柱で支えられているそうです。(いのちはなぜ大切なのか 小沢 竹俊著)

①  将来の夢 (時間の柱)
②  大切な人との関係 (関係の柱)
③  自分の自由(自律の柱)
このうち、どの柱が不安定になっても建物(こころ)はバランスを崩します。

子どもに限らず大人だって・・・近い将来高齢者になり、②家族と死に別れ、③自分の身体も自由にならず自分で決められない様な年齢、状況になったら①将来に希望は持てません・・・その時きっとつらいです。
まして子どもたち・・・学校や家庭でそんなふうに思ってしまう状況になったら何とかしてやりたいです。「大丈夫 だいじょうぶ 君が悪いわけじゃないよ 何とかなる」と言ってやりたいです。

なかよしにそんな子どもたちの居場所はつくれないか・・・真剣にリーダー格の職員たちと話し合っています。具体的になったら皆さんにご報告します。

二学期がスタートします!
夏という季節は地上の植物を育てる季節です。園の畑の作物も通信隊の草花もグッと色を濃くして茂っています。
夏期保育で久しぶり顔を合わせた子どもたちもそれに負けないくらい大きくなった様に感じます。
二学期は運動会、なかよし祭りなど行事が多くなる学期です。その中で子どもたちの育ちが見えてきます。どんな実をつけるか楽しみにして下さい。

2019 9   園長 菅野清孝

8月園だより 2019/7/24

八月によせて
 
“りゅうりぇんれんの物語”って知ってますか?
私は2~3年前に茨木のり子さんの詩集の中で初めて知りました。

 劉連仁(りゅうりぇんれん) 中国のひと
 くやみごとがあって
 知りあいの家におもむくところを
 日本軍にさらわれた
 山東省の草泊(ツアオポ)という村で
 昭和十九年 九月 ある朝のこと
・・・
「華人労務者移入方針」のため 
日本軍の狩場であることなどはつゆ知らずに
手あたりしだい ばったでもつかまえるように
道々とらえ 数珠つなぎ
・・・
りゅうりぇんれんは胸が痛い
結婚したての若い妻 初々しい前髪の妻は
七か月の身重だ
母とまだ幼い五人の兄弟は
麦をまき残した一反二畝の畑の始末は
・・・
あの朝…
さつまいもをひょいとつまんで
道々食いながら歩いて行ったが
もしもゆっくり家で朝めしを食ってから
出かけたならば 悪魔をやりすごすことができたろうか
いや 妻が縫ってくれた黒の綿入れ
それにはまだ襟がついていなかった
俺はいやだと言ったんだ
あいつは寒いから着ていけと言う
あの他愛ない諍(いさか)いがもうすこしながびいていたら
つかまらないですんだろうか めいふぁーず(しかたがない、の意) 
運の悪い男だ俺も・・・・
船底の石炭の山によりかかり
八百人の男たち家畜のように玄界灘を超えた
・・・・・・

こうして日本の門司についたりゅうりぇんれんはさらに汽車に乗せられ北海道、雨竜郡の炭鉱で強制労働につかされる

 <カレラニ親切心 或イハ愛撫ノ必要ナシ
      入浴ノ設備必要ナシ 宿舎ハ坐シテ頭上ニ
  二、三寸(1寸は約3センチ)アレバ良シトス>

家畜以下の扱い、生きながらして殴り殺される仲間、暴動は何度も失敗。そんな中にあって、ある時彼は一人で逃げた。便所の汲み取り口から汚物にまみれてはい出した。
1945年7月のことでした。

その翌月の8月に日本が負けて戦争が終わったことも知らずに、彼はひたすら逃げて隠れて、隠れて逃げて・・・
北海道の山々の過酷な自然の中を熊や狼(?)と出会いながら、ズタ袋をまとい、草や木、時には生のジャガイモにありつけながら、
絶望にさいなまれ縄で木に身をつるすも、6尺(約180センチ)の体を支えきれないひ弱な縄が切れ 

「ばかやろう!」そのつもりなら生きてやる
生きて 生きて 生きのびてみせらあな!

日本が島国であることが信じられない彼は、日本は大陸の地続きで、西北へ西北へと歩けば、いつかは必ず故郷に帰れる、そう思い込み鉄道の線路をたどり稚内で荒涼とした海の広がりに愕然とし、網走の近くを歩き雄阿寒、雌阿寒の山々を超えてまたしても海。釧路に近い海だった。

日本が島なのはほんとうに本当らしい

こうして1000キロ以上の道のりを北海道の北から東へ、東からまた西へ。なんと、13年間もの年月を費やし、最終地点となった石狩群当別町は必死の思いで脱出した昭和炭鉱からわずか約90キロの地点でした。

発見されてはじめは何も信じず認めなかった彼が少しづつのみこんでゆくころ、彼にスパイ嫌疑がかかり、日本政府は不法入国者、不法残留者にしようとしていた。心ある日本人と中国人の手によって速やかに調査が行われ、昭和33年3月、りゅうりぇんれんは雨にけむる東京に着く。
そこですばらしい知らせ、妻と息子が生きている、しかも妻は二夫にまみえず彼だけを抱きしめて生きていてくれた。

時がたち 
 月日が流れ
 一人の男はふるさとの村へ
 ついに帰ることができた
 十三回の春と
 十三回の夏と
 十四回の秋と
 十四回の冬に耐えて
 青春を穴にもぐって すっかり使いはたしたのちに
 ・・・
 あの隙間
 いましっかりと 自分の言葉で埋めてみたいと。

劉連仁さんが北海道の山の中で発見されたのは1958年2月。思えば私は小学3年生。私の家族や周りでそうしたニュースに疎かったのか、それとも日本にとって都合の悪い話だったので大きく扱わなかったのか、私の記憶にないのも恥ずかしいですが、日本がかつて戦争をしていたことも歴史の隅においやられる昨今では、こうした事実を知っておくことも日本人として必要なことと思い、この詩を借りてお伝えしました。

平和でなければ人の人生も守られません。
昨今の世界の情勢は かつて日本と中国が友好条約を結び、韓国と国交が正常化され、ヨーロッパではベルリンの壁が崩壊し、世界が平和に向けて進んでいた時代から見ると、危ういものが感じられてなりません。

子どもたちの未来には 世界が平和でありますように・・・
8月は74年前に日本が戦争で負けた終戦記念日です。
平和を願い 平和を誓う日にしたいものです。


理事長 川島佐和子

7月園だより 2019/6/30

7月になりました~
表デッキにプールを設置しました。早く入りたいよ!子どもたちは大声でリクエストしていますが、なかなか梅雨空は変わりませんね。
さて、なかよしでは毎月、子どもたちの様子を話し合う会議(乳児カリキュラム、幼児カリュキュラム)をしています。なかなか現場で子どもたちと関われないごんべぇにとっては、先生たちの話はほんとに面白くて子どもたちの今を知る機会になっています。
今月はそんな話の一片をご紹介します。

乳児カリキュラム会議 ~2才たんぽぽ組の子どもたち~
三輪車に乗っているK、一緒に遊んでいたAとRがどっちが後ろを押すかモメ始め、とうとう取っ組み合いのケンカになりました。
そばにいた先生が間に入って「どっちに押してほしいかKちゃんに聞いたらどう?」と提案すると2人ともうなずきます。
「でも、Kちゃんが決めたら押せなかった人は我慢できる?」と聞くとうなずく2人です。
そして、Kちゃんに「どっちに押してほしいの?」と聞くと『Rちゃん』の答え・・・・自分を選ぶに違いないと思っていたAは大泣きします。
選ばれたRは嬉しそうに三輪車を押します。
「Aちゃんは次だね」と慰める先生・・・しばらく三輪車を押していたR、押していたハンドルの半分をあけてAを呼んで一緒に押しはじめました。

担任、感動しました・・・このクラスの子どもたち・・・昨年は自己主張がぶつかり合って、かみつき、ひっかきがすごかったんです。保護者、保育者それぞれ謝罪の日々でたいへんだったんですよ。
疑似兄弟の様に本音をぶつけ合っての生活の中で育ったからこその姿です。

幼児カリキュラム会議 ~3歳りす組の新入園の子どもたち~
一方、4月に新入園の年少組の子どもたち・・・初めての集団生活の子がたくさんいます。その中でもLちゃんは強者です。もう遊びたくて遊びたくてしかたがないんです。
登園するなり『あそぼう!』と声をかけていろんな場所に入っていきます。
遊んでいる子の使っているオモチャを見るとほしくなり『つかいたいの』と奪います。
思い通りにならないと意地悪されたと訴えます。外で三輪車が目に入るとすぐ走っていき、強引に後ろから乗り込んで『かしてくれない』と怒ります。
Lちゃんの行くところ行くところででケンカが勃発します!
「あぁぁ また!」先生たちが汗だくになって駆け寄ります・・・ (笑)
この話しは今年の3才児は2才児より幼い・・・という話ではありません。子どもたちがお互いを理解するためには、自分の気持ちをぶつけて、相手からはね返ってきた気持ちを受け取る体験をたくさんする必要があるということです。
その為にはもう少し時間がかかるね~先生たち、頑張ろう!と言うお話です。

ほうれんそうタイム ~5歳年長もり組かわ組の子どもたち~
最近、年長組では帰りの集まりの時、その日に思ったことをみんなの前で発表する「ほうれんそうタイム」という時間があります。
「今年の年長、いろんなこと考えてる思っているのがわかるのになかなか話として出てこないですよね~」と言う担任の想いから研修会で他園の実践からヒントにしてやってみることにしました。
「自分が思ったことなんでもいいから話してよ」からスタートすると・・・『フラフープがまわせた』『もり組が動物当番でかわ組あそべてよかった』嬉しかったこと報告、『クツがなくていやだった』『サッカーで○○がへんなとこにキックした』『ハシつかえないって言われた』『泣け~って言われていやだった』と苦情発言、『ディズニーシー楽しかった』『ハッピーバースディした』行事報告、『○○はサッカーがうまい』『お店屋さんの作るの上手だった』など友だちをほめる発言など、出てきています。

自分の気持ちを他人に話そうとするとき、自分はどう思ったか、相手にどう伝えようか考えます。ちよっと離れて自分自身を見つめる意識・・・メタ認知能力といいます。
この能力、一般に幼い子には難しいこととされていますが、なかよしの生活の中で育っている気がします。
あっそれと・・・担任からは、「子どもたちが自分で思ったことなら何を言ってもいいんだけど、お母さんが” ??と言っちゃいな”と、こどもを誘導するのはやめてほしいです。」とぼやいていました。

こどもの姿を共有する
そんなカリュキュラム会議に出ると子どもたちの様子がよくわかります。
そこで思うのは同じ子はいない、ひとりひとりのトリセツがあると言うこと、そして保育者も自分だけの経験だけじゃなく職員の経験も共有できるからこそ積み重ねが大きくなっていくのだということです。
飽きっぽい私ごんべぇが34年も続けられた理由はここなのかな・・・


2019 7     園長 菅野 清孝

6月園だより 2019/5/31

『ごんべぇちゃん~』登園すると事務室のガラス窓に顔や手をべッタリつけて声をかけてくれるのは年少りす組の子どもたちです。
4月のバスでは大泣きしていた子が今では笑顔です。でも、クラスでは友だちとケンカして怒り泣きして手を出すことも・・・本来の姿が園でも出てきて・・・本当にめんこいね~

平成31年も令和元年となり、なかよしのPTA新役員の皆さんも、総会を前にここのところ、去年の流れを見つつ今年はどんなふうに進めていくか話し合いが続いています。
そんな中私ごんべぇも呼ばれていろいろ質問をいただきます。

質問 ~ゴミを集めてお金にするほど、園は困ってるんですか?~
今から50年以上も前、神奈川生協が土地分譲したこの団地に幼稚園も必要と考えて設立された生協なかよし幼稚園(なかよしこども園の前身)でしたが、数年で生協の経営が悪化、他園に売却の話しが出ます。 しかし、子ども中心の保育が変わってしまうことを心配した当時の職員と保護者が反対して、その後自主運営の時代が10年続きます。

自主運営は厳しかった
保育料しか収入源がなかった時代、ほとんど補助金もなく、保育に必要なものもなかなかすぐには購入できなかったそうです。当時は保育室の棚や動物小屋など、有志のお父さんがボランティアで休みに作ってくれたと聞きます。

何とかもっと使える資金は作れないか・・・・出たのがバザーや廃品回収・・・特に廃品回収は園の運営に関わっていた保護者がこの団地に多く、全体の売上げをなかよしに提供してくれた時期がありました。
そんな地域の方々のバックアップを受けて、不足していた物を少しずつそろえていきました。

学校法人になる
その後、経営が安定した神奈川生協が土地と建物を寄付してくれて、昭和52年に学校法人生協なかよし幼稚園となります。
法人化の後は、少ないなりに補助金も出て、備品がそろわないということはなくなりましたが、バザー、廃品回収はそんな保護者や地域の方々の想いを象徴した活動として続いていきました。

そして、これらの活動で得られた収入はそれまでの様に、直接子どもたちにというよりは、子どもたちにこんな観劇をさせたい、こんな先生を呼んで講演会を開きたい、保護者の仲間づくりサークル活動など・・・PTA活動の資金となりました。

伝えないと伝わらない・・・
そんな廃品回収の話を職員にしたら『初めてききました』と言われてちよっとびっくり・・・
幼稚園の時は、川島先生はじめバスの運転手さん含めて6人くらいで仕事していましたが、今はパートさんも含めると40人・・・なかなか全員に伝えるのは難しいですね。

最近では、廃品回収は6月と12月の年2回分を頂いています。園だけの売上げではありません。地域全体の売上げに助成金をプラスした額をいただいているので年間数万円の額になりPTAの活動資金となっています。
地域の中からは『どうして特定の園に地域の収益を寄付するのか?』と言う方もいるそうです。過去の成り立ち経過を知らなければそう思うのは理解できます。
もしかしたら来年はなくなるかもしれません。

はじまりはお母さん
なかよしでやってる活動ってお母さんたちが始めたことがいっぱいなの知ってますか?

例えば、なかよし文庫・・・本を好きになってほしいという願いから、毎週、子どもたちが読んでほしい本を選んで持ち帰っています。これ最初はお母さん方が始めたんです。
役員のお母さんたちが毎週来て、各クラスに本を配ってくれていました。お母さん方の願いを受け継ぐ形で今は園の活動としてやっています。

ひよこサークルも・・・在園していたお母さんたちが下の子も一緒に遊ばせながら、お母さんも子育て仲間を広げようとして、当時園児減で空いていた保育室を使って始めました。
子育てはみんなで・・・子育て支援なんて言う言葉のなかった時代です。
しばらくして園がバトンを受け取って現在に至ります。

時代は変わって
平成19年幼保連携認定こども園「なかよしこどもセンター」となり保育園が併設、平成30年には新制度の認定こども園「なかよしこども園」となりました。

幼稚園、保育園のお母さん合わせて2/3の方がなんだかの形で仕事を持っています。
忙しい、たいへんだと言う声を聞きます。
泉区の中の園でも、たいへんだからと言う理由で、父母会やバザーがなくなったり、縮小になった所もある様です。PTAがないことが、行事の参加が少ないことが入園の理由になるとの話しも聞きます。

なかよしは、なぜ、54年も続いているんだろう?
これから載せる話しは、何年か前の園だよりにも載せましたが・・・以前NHKで放送された番組の中で・・・・女性が妊娠中は、女性の身体を作っていく為にホルモン(エストロゲン)がたくさん分泌されます。
エストロゲンは愛情ホルモン、安心感、充実感いっぱいだったのに・・出産後、ぱったり出なくなるそうです。 結果、不安や孤独を感じてしまう産後ブルー・・・育児不安をつくり虐待やうつ病に繋がる問題として取り上げられていました。

その一方で、番組では、ホルモンが出なくなって不安を感じるから促される行動があると言います。
それは“集団を求める”ということ・・・産後ブルーは『不安だからみんなで育てよう』のシグナルなのではないかと言っています。
700万年前から人類が生き残り、広がっていくための戦略は集団で生きることです。
一人で子育てなんて我々の人類の中に刷り込まれているDNAに矛盾している~
ごんべぇはこの説に賛同します。

例えば、なかよしのバザー・・・どんなものを出店するか?何をつくる?どんな形?値段は?品質は?いろんな価値観を持った大人が集まって、ああでもないこうでもないと話し合うこと、相手の話を聞き、自分の考えを伝え・・・そしてひとつの方向を決めていく・・・その過程(プロセス)に意味があると思います。

例えば、役員会・・・皆さん状況がいろいろです。8の力を出せる人、今は2の力しか出せない人・・・でも足して10になります。それでいいんですよね。やれることをやろう、力を合わせれば大きな力になる! 多分、役員を体験した方はその感覚がわかります。

大人がつながること・・・大人が仲間をつくること・・その姿を子どもたちに見せることが結果として子どもたちを育てることにつながっていく・・・そんな歴史がなかよしのPTAにあるんです。
PTAの活動がたいへんだと思っている方は、そんなスタンスで入って下さい。
卒園までに一度は役員を体験して下さい。
人に伝える事のたいへんさと同時に、人とわかり合う、つながり合う感覚、心地よさを感じられると・・・ごんべぇはそう思っています。

2019年 6月         園長 菅野 清孝

5月園だより 2019/4/26

入園式には満開だった園庭の桜も青葉に変わりました。通信隊の原っぱでふくちゃんが伸びてきた草を美味そうに食べています。

新入園の子どもたちは・・・・乳児の部屋をのぞくと、ごんべぇの顔を見て、固まる子どもたち・・・ベソをかいて担任に抱きつく子・・・親しい人とそうでない人がわかります。
年少の部屋は・・・バスでお母さんと別れる時大泣きしていた子が、笑顔で園庭を走り、砂場で黙々と砂を積み上げています。帰りの時間になってもなかなか部屋に入らず時々事務室にヘルプが入りごんべえが出動します。
それぞれの子どもたちが園での生活に慣れてきた姿です。

心の場所
先日、午後の時間・・・3月に卒園した一年生Kちゃんが園にやってきました。Kちゃんのお家は園からけっこう離れています。
『ひとりで歩いて来たの?』『お母さんに言ってきた?』と聞くと真っ赤な顔でうなずきながら目から涙が・・・頑張ってきたんだね。
いろんな先生に『よくきたね』『すごい~ひとりで?』と声をかけてもらい嬉しそうでした。家庭訪問から戻った昨年度の担任のみゆき先生を見つけて飛びついて、顔を胸に押しつけて涙・・・みゆき先生も涙ぐんでいました。
事務室にも顔を出して理事長にウメボシをもらって・・・しばらくの時間、園庭や中広場でひとしきり遊んで帰って行きました。

学校から帰ってきておやつにするより、なかよしに行きたいとお母さんに言って遊びにきたKKちゃん、在園の妹をお迎えにきたついでに、年長に混じって得意げにドッチボールするMくん、てらこやに参加してきたSくん、Mくん、Lくん、SUくん、SAちゃん、勉強していた時間より中広場の積木や園庭の三輪車で遊んでいた時間が多かったな(笑)
新学期が始まって1ヶ月近くなります。期待と緊張でパンパンになって頑張っていた子どもたちもそろそろ疲れてくる時期です。

毎年、この時期、ガス抜きの様に小学生の子どもたちが遊びに来ます。
いや、時期に限らずかな?・・・


保育ボランティア
中学生の男の子が子どもたちと遊んでいる様子を見た方も多いと思います。
昨年の夏に在園していた子のお兄ちゃん(卒園児)がボランティアをさせてほしいと申し出がありました。
最初は『それ本人が希望してるの?お母さんがさせたいんじゃないの?』と少々疑いつつ、本人に聞くとやりたいと言うので受け入れました。

保育室の掃除、トイレの清掃、窓ふき等いろんな雑用をやってもらいました。
そのうち近所のなかよしの同級生(この子も卒園児)も一緒に参加してきて、いろいろ手伝ってくれる様になりました。
子どもたちとも遊んでもらいました。
汗だくになって一緒に走り回り、おんぶに抱っこ、園児たちから求められると一生懸命答えています。
そのうち『きょう、あのお兄ちゃんたちくる?』園児たちも心待ちしている様子がみられました。
夏休みが終わってからも、時間があると来て園児たちと遊んでくれています。

この中学生の男の子ばかりでなく、時々女子中学生もフラッと遊びにきて乳児棟で保育士補助をしてくれることがあります。オムツをたたんだり、オモチャを片づけたり・・・それがなかなか戦力です・・・将来は保育士になりたいと言う子もいて「何年かしたら一緒に働いてたりしてね~」等など・・・とりとめのない話しをしていくそうです。
この子たちにとってなかよしはどんな場所になっているんでしょう?

居場所の必要性
そんな事を考えていたら以前、聴いた高橋まさる先生の講義を思い出しました。

『地域共同体は人間形成の場~ 以前の日本では子どもが大人になるためにたくさんの親(疑似親)が必要だった。子ども組、若者宿、娘宿など地域共同体が総ぐるみで「一人前の大人」が育つ手助けをしてきた。
~まなびはマネビ~ 大人の手伝い、年中行事の参加などの中で大人を模倣して役割を習得し「一人前の村人」が育っていった。役割を果たし、周囲から承認されることで若者の誇り、自立への自信と意欲が大きくなった。

共同体意識が消え、都市型のコミュニティ形成も未成熟な現代の地域社会。「大人になることの魅力」は消え、「大人になること」「コミュニティを形成する市民になること」の生きた手本が見えずらくなった社会。
そんな下支えする社会的仕組みが弱体化したにも関わらず、社会から若者に求められる能力はますます高度化している。(小学校~中学~高校~大学の中で学力+職業訓練+社会力+コミュニケーション力+プレゼン力)
その結果、大人はたいへん。「大人になること」「社会に参加すること」に消極的な子ども・若者が増えている。
そんな子どもたちを自立した市民にそだてるには、存在をまるごと承認する場所~居場所が必要であり、その中でも、子ども⇔子どもの仲間(ヨコ)関係と子ども⇔近所の大人(ナナメ)の関係が大切だ』と高橋教授は言っています。


なかよしコミュニティ
在園している子どもたちにとって中学生のお兄さん、お姉さんはちよっと大人、ナナメの関係です。卒園した中学生にとっては園の先生たちがナナメ関係です。
そう考えると、無意識的ではあるけれどなかよしには人間形成に大切なコミュニティ(地域社会)があり、その中で子どもたちが育っている、帰ってくる場所(居場所)になっている気がします。

創立54年と言う時間の中で、そこに関わった保護者、保育者、地域の方々・・・たくさんの人々が作った何かをかき混ぜて醸造した結果できた・・・上質のワイン?いや味噌か (笑)

なかよしこども園として
保護者の方から、なかよしってはっきりしない 決め事が曖昧 と言われることもあります。部分を切り抜くと、突っ込みどころ満載ですかね・・・
子どもにとってどうなのか?子どものために今すべきことは何か?いつも原点にしていますが、結果、それっていち幼稚園保育園としてする範疇を超えてる?片寄った対応になっているんじゃないか・・・若い職員たちが混乱することもあるようです。

幼稚園機能、保育園機能、子育て支援機能・・・こども園として求められていること
どこで線を引くべくか、または引かない方がいいのか、再度、職員と話し合いながら子どもたちとの生活を作っていきます。


2019年 5月
                 

園長 菅野 清孝